SHIROBAKO総括
―――そのとき理解したのです。
全てにはいはいと頷いてはいけないのだと。
クリエイターは誰しも、繊細で傷つきやすい心を持っている。
しかし絶えず批評、駄目出し、注文を付けられる。
だから自分を守るために、私は鎧を纏ったのです。―――
この言葉が私にとってSHIROBAKOの転機でした。その時まで、アニメーション制作の現場を面白おかしく描いた作品、少女たちが夢を追いかけることのすばらしさ(前半クールのOPがそういう雰囲気)を描いた作品。SHIROBAKOのことをそう認識していました。
しかし、この回から働くこととは何か。ということを考えに加えてこの作品を見るようになりました。
このことが、私がSHIROBAKOに涙を流すようになった大きな理由であり、他のアニメとは違う特徴であると思っています。
1.夢を叶える
これは、主人公ポジションの5人が行う「どんどんドーナツどーんといこう!」が象徴していますし、SHIROBAKOはこの5人が「夢に近づく」物語です。23話のラストが典型的ですし、最終話のラストも。ただ、16話くらいからずっと仕事とはなにかを追っていった見方をしていたので不意打ちだった。
2.宮森あおい
他の4人と違って宮森あおいは「自分のやりたいことがわからない(何故アニメ制作をしているのか)」という描かれ方をしてきました。(20話とか)それに結論をだしたのが最終話ですね。夢を持たない現代の若者は自分の姿を宮森に重ねて視聴するに違いありません。ただ、私もSHIROBAKOだけを見ているわけではないので宮森は自分のやりたいことがわからないとかいうことはすっかりわすれていました。描写が不十分だったかもしれませんが、そのようなことは気にしない現代の若者にはこれで十分でしょう。
3.美少女アニメとしてのSHIROBAKO
SHIROBAKOの魅力のひとつはかわいいキャラクターです。でも、SHIROBAKOには中年男性がたくさん出てくるし、オタクが喜ぶような典型的な美少女アニメじゃないよな。とおもっていたら版権絵では普通に水着になるのはなんなんだ。前述のとおり私はSIROBAKOは働くこととは何かを教えてくれるアニメだと考えており、そういうSHIROBAKOに惹かれているので水着とかはいらないと思っています。そういうのを望んでSHIRBAKOを見るオタクもいるから仕方ないか。SHIROBAKOの主人公が男だったら見る人はいないでしょう。
4.働くこと
働くことは人生。SHIROBAKOは人生を教えてくれるアニメ。
あとは、泥臭く、(理想とは違っても)人間らしく生きることも教えてくれたのかもしれない。
5.SHIROBAKOが終わった
SHIROBAKOが自分の特別なアニメの一つになるのは間違いない。
オタクは飽きやすく忘れやすいので毎週金曜SHIROBAKOを見ない生活にも次第に慣れていくだろう。