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【こんにちは。】深夜アニメ批評界の鬼才が送る響け!ユーフォニアム第一回ようこそハイスクール完全解説

ウィィィィィス! ど〜も〜、Syamu_gameで〜す。


「シャムさん!?」


というわけで、先日、響け!ユーフォニアム第一回 ようこそハイスクールを視聴いたしましたので、レビューをしていきたいと思います。おたくの皆様。アニメ評論家の皆様。お手柔らかに、宜しくお願い致しmす。



〜あらすじ〜


僕からの解説→(まず、主人公黄前久美子の回想から始まる。)


まず、ありのままに情景描写。(この回想だけね)


でkっかい建物に人が近づいている。

吹奏楽コンクール」の文字が流れる。

髪を縛っている女の子が腰を下ろし。もう一人の女の子が「やばい緊張する」と言う。

おっさんが上方から紙バサァ。「きた。」と緊張している女の子が言う。

歓声。

(金)大吉山北中学校と書かれている。「金だ。金だよ私たち。」と緊張している女の子が言う。

「あたしあさみに報告してくる。」と言って緊張している女の子がトイレに向かう。

おっさん「このなかより関西大会に出場するガッ」

ほかの学校の生徒が(無音で)喜んでいる。

髪を縛った女の子が「だめきんだけど、きん」と言う。うれしそう。(京アニ特有の髪がふわぁっ……と浮き上がる描写)

髪を縛った女の子「高坂さん。」

高坂さんと呼ばれた女の子が隣で泣いている。

髪を縛った女の子(次から久美子って書くわ。めんどくさいから)「泣くほどうれしかったんだ」

久美子「よかったね。金賞で」(どこか見下したような表情)

高坂麗奈「くやしい」

久美子「えっ」

高坂麗奈くやしくって死にそう。なんでみんなだめきんなんかで喜べるの。私ら全国目指してたんじゃないの」(くつとくつをぶつける)

久美子「本気で全国いけると思ってたの?(久美子の口のアップ)あっ(ここで久美子の顔がうつる)」

麗奈「はっ?あんたは悔しくないわけ?」(久美子のほうを見る)

麗奈「私はくやしい。めちゃくちゃくやしい。」(立ち上がり、涙をぼろぼろこぼす)

麗奈、去っていく。呆然とする久美子。


Sound!
Euphonium(という文字が出る)


回想終わり。





と、いうわけでですねえ。あにめおたくである我々にとっては、おなじみのシーンです。ですが、ここで、このアニメを初めて見る人が。なんの予備知識もなく、このシーンを見た場合。何を読み取ることができるか。これをちょっと考えてみます。箇条書きで。




1.「吹奏楽コンクール」という文字列からこのアニメは吹奏楽ものかな?と勘ぐる。このでっかい建物でコンクールが行われていることを読み取る。


2.最初に登場する人物は制服の女の子二人。中高生かな?この2人が主要人物で、どっちかは主人公かな?と勘ぐる。


3.最低でも、金だ、金だよ私たち。のところくらいでコンクールはもう演奏がおわって結果発表なんだな。と気づく。


4.「だめきんだけど、きん。」ここでは、だめきんの意味を知っているかどうかで理解に差が出ます。まあ、久美子が”だめきん”で喜んでいる、ことは確実に読み取れます。


5.久美子「高坂さん。」久美子と高坂麗奈はそんなに親しい関係ではない。のちに高坂麗奈が久美子を「あんた」と呼ぶことからも読み取れます。


6.「なんでみんなだめきんなんかで喜べるの。あたしら全国目指してたんじゃないの。」久美子はだめきんで嬉しそうでしたが、麗奈はだめきんでくやしい、と。さらに、吹奏楽に疎い人間にも「だめきんでは全国大会に行けない」、ということがわかるようになってますね。次に、久美子たちの学校は全国大会を目標にしていたこともわかります。最後に、久美子とトイレに行った女の子以外の部員も、だめきんで喜んでいる、とよみとっていいでしょう。


7.「本気で全国行けると思ってたの?あっ」→目標は全国大会だが、久美子は本気で全国を目指していなかった。また、あさみに報告しに行った女の子が関西大会に出場する学校の発表を待たずしてトイレにいったことから、報告した女の子、あさみも、全国大会に行けるかどうかは問題ではない、と。


8.「はっ?あんたは悔しくないわけ?」→麗奈は、ほかの部員も全国を本気で目指していると思っていた。でも、それは少しおかしいのではないか。ほかの部員としっかりコミュニケーションをとっていれば、本気で全国を目指してないことはなんとなくでもわかるはず。あまりほかの人と話をしなかったのか。


9.「私は悔しい。めちゃくちゃくやしい。」とにかく、悔しさが伝わってくる。感情をあらわにしている。



はあい。この回想全体を振り返ってみて、高坂麗奈と、黄前久美子が、「対照的に」描かれていますね〜。感情をむき出しにする麗奈と、冷めている久美子。この二人が、物語の主要人物であると、ぼんやりとわかるでしょう。またね、このシーンでね。久美子と麗奈の性格描写は、すでに終わっています!こういう指針をもって、この二人は行動すると。全部このシーンに詰まっている!(まあ、久美子は”成長”するんですがね。)



そしてね。この回想が、物語の命題といいますか、テーマ、というものに、つながってくる。とても重要なシーンなんですよお。




これは映画のキービジュアルですが。これを見た時、私は、ほおお。と思いましたよ。「もっと、うまくなりたい。」



まあ、回想シーンについては、ここまでにしときますか。私が感じている物語のテーマなどは。第12回の解説のときにでも、しときます。



それでは本編に戻る。



高校生になった久美子はおなじ中学の子がほとんどいない北宇治高校に入学。その吹奏楽部はあまりにも下手だった。

放課後、クラスメイトの加藤葉月川島緑輝吹奏楽部の見学に行く久美子。そこで”あの”田中あすか小笠原晴香との初対面を果たしたのも、つかの間。高坂麗奈が「入部したいんですけど。」の声とともに現る。

戸惑いながら帰宅する久美子。その胸中は、中学での吹奏楽コンクールでの高坂麗奈とのやりとりを引きずっていた。塚本秀一、姉と対話し、吹奏楽を続けるか迷う久美子だったが。加藤と川島の誘いで、吹部に入部することにしたのだった。


そして、次の曲が始まるのです!





〜解説すべきポイント〜



1.黄前久美子について。性格の描写。なぜ吹奏楽部に入ったのか。
2.高坂麗奈の回想とのギャップ。
3.加藤葉月の描写
4.川島緑輝の描写
5.第一回における吹奏楽部について少し
6.光の表現
7.「そして、次の曲が始まるのです!」



この順番にかきます。(「ようこそハイスクール」視聴済みの人向けの文章です)



1.久美子〜その性格、吹奏楽部に入った理由〜


話の順に、久美子の描写について解説していきます。


回想が終わり、久美子の第一声は「高校に入ったら胸が大きくなるなんて噂、どうして信じちゃったんだろう」です。いきなりの「マイナス思考発言」。久美子は現実的で冷めた性格です。しかし、次の場面で桜の花びらを集めてふう〜と吹き飛ばし、笑顔。これは、女の子らしい希望を高校生活に抱いている。ということです。(わけわからんけどこういう二面性ということにしといてくれ。)


久美子は入学する高校を吹奏楽部の強さ云々で決めたわけではないですが、高校でも吹奏楽部に入ろうと(なんとなしに)考えていました。しかし、入学の日に吹奏楽部の下手さを知り、落胆。吹奏楽に入るかを迷いはじめます。


次に、加藤葉月との初対面で「思っていたことがうっかり口に出る」ということがありました。これがのちにもちょいちょい出てきます。さっきの回想にもでていましたね。「久美子はこういうキャラだ」ということを制作陣は第一話で示しました。(回想にて口をアップにしたことからも、わかります。)


吹奏楽部に見学に行った久美子は、吹奏楽部の下手さを再確認し、さらに高坂麗奈と再会します。このことは久美子にとっては予想外でした。(吹奏楽の名門校に行ったと思っていた)高坂麗奈吹奏楽部に入部するということで、久美子は気まずくなり、一時、川岸のベンチにて入部をやめることを決意し、それを塚本に言います。 


家に帰っても久美子の頭の中はコンクールの結果発表のときの高坂麗奈との会話のこと、そして吹奏楽部にはいるかどうかでいっぱい。よっぽど気にしているということを印象付けます。また、ここで姉が登場します。そして北宇治高校吹奏楽部の評判を下げていきます。姉は「あんた、吹奏楽やめるの?」と言いますが、ここで久美子は「吹奏楽部に入らない」=「事実上吹奏楽をやめる」ということに気付くわけです。


そのご久美子は中学でのコンクールの演奏を思い出しながら思索にふけります。(ここで滝昇を初登場させながら地獄のオルフェを流すのですがこんな曲の流しはじめ方普通考え付きませんよ。すごすぎる。)ここで、久美子は吹奏楽の「舞い上がる、高揚感」を思い出す、と。久美子のセリフはここでは一切ありません。また、久美子は自室に入ったときと思索にふけったあと、二回ベットに倒れこんでいるのですが、これを比較すると面白いです。




「前」について。高坂麗奈吹奏楽部について悩みながら倒れたシーン。音楽室で高坂麗奈と再会したときも「ひょえええ」というギャグ調のリアクションをしていたし、第一話での久美子は高坂麗奈に関する言動はギャグ調にしている、と考えられます。それはなぜか。コミュニケーションの取り方をつかめてないから、恥ずかしいから、おそらくそのような理由ではないかと。


「後」について。吹奏楽の高揚感を思い出し、水槽学部に入るかを悩み、思考が混沌の状態になっていそう。



ここで一気に次の日へ。久美子は昨日と同じように鏡を見ている。冷めた表情。昨日と違う点は、セリフがないことと、ポニーテールにしていないこと。朝食は食べない。その後の電車内、教室ではぼんやりしていて吹奏楽部に入るかどうかを考えていそう。


ここでの私の解釈は、以下の通りです。
1.高校生活に抱いていた希望が、昨日いろいろな出来事があったので薄れてしまった。髪をほどく。

2.吹奏楽を続けるか悩みすぎて朝食は食べない。

3.電車内。教室では表情ではわかりにくいがぼんやりと吹奏楽について考えている。


放課後。加藤がマウスピースを買った。驚く久美子。マウスピースを鳴らせない加藤に、過去の自分を見る。こうして久美子は音楽を始めたころのあの感情を思い出し、また加藤と川島緑輝が素晴らしい友人であることを理解し、「北宇治高校」吹奏楽部に入部を決め、悩みを捨て去ったのです!!!!


どうですか? 私は初めて「ようこそハイスクール」をみたとき、こいつはなんで急に吹奏楽部に入ることにしたのだ? という感情を捨てきれませんでしたが、こうゆっくり考えてみるとわかりやすいですね。というわけで久美子の考察はこれで終わります。




【たいせつなおしらせ!】次の考察に移ろうと思ったのですが、ここまでの文章が長すぎるので続きは次の記事で書きます。突然のことですが、受け入れてください。




それではみなさん、さいなら〜〜〜〜